あいかわらず周囲とは完全に別世界のピット
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早くもツインの開幕戦がやってきた。
前2章連続でトップエンドのキレに問題ありとの結果が出ただけに
開幕戦に臨むにあたっての課題はそのものズバリ、
スピードアップである。
ホビーショップ風さんのチャレンジクラスでのデビュー戦では
好成績を得たものの、ギア比規制に救われたのは否めない。
ツーリングカーの6.0:1を基準にし6.66:1としたのだが
言うまでもなくこれは540モーターにとって余裕のギア比であり
ベストではない駆動系でもごまかせた。
しかしツインホビーのレギュレーションは「ギア比無制限」。
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540モーター搭載車なら
DD車以外はなんでも出場OKの
ツイン540クラス。
マイクロたんから生首まで数々の珍妙勝負を生んだ(笑) |
他選手も当然可能な限りハイギアード設定で来るだろう。
ちなみに昨年のデータを見るとWaspで3.84:1、店主のRS4ミニは
冷却ファンまで装備し実に3.72:1までカチ上げられていた。
ツーリングタイヤ換算で4.42:1というハイギアードだけに、
駆動系効率は重要なキーワードだ。
問題を抱えたままでは良くて熱ダレ・悪くすればブローである。
どのくらいまで引っ張れるのか以前に、まずは駆動系を分解してチェックだ。
まずアクスルをバラしてビックリ。
オフ走行を考えてセレクトした某アフターパーツメーカーの
テフロンシール1150ベアリング。
てんこ盛りの封入グリスが気になってはいたが
「防塵を考えると好都合だよな」
「使っているうちにある程度飛ぶだろう」
とタカをくくってそのまま組み込んでいたもの。
しかし甘かった。グリスはしっかりケース内に残り
更に砂やら埃やらを巻き込んでさあ大変
凄いありさまだった。。
これは痛い
回転速度が遅い部分だが、かなりの抵抗になっているに違いない。
即座にベアリングを交換、グリスを抜きLO-1を塗布しておいた。
ついでにデフを支持する1510ベアリングも交換・・・。
CVDジョイントやカップ回りも洗浄し、注油を行なった。
軸回り一新でまずは一安心。ギア比の選定に入る。
前述したようにWaspでは3.84:1だから単純にタイヤ外径補正すると5.29:1となる。
左からスーパーサイズ・ツーリング・ミニ用。
径の違い分、ギア比を補正しなければいけない
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しかしWaspより車体重量が200グラムも重く、接地面積も広ければ
タイヤ&ホイールの慣性質量も相当増えているので
それ以上ハイギアードだと負荷が勝ちすぎる恐れがある。
そこで、暫定目標値を5.5:1とした。100Tスパーに40TピニオンでOKだが・・・
付かない・・・( ̄□ ̄;)!!
そんな大きなピニオンはギアケースに入らないのである。
限界は38T。という事はベストスパーは93T。
そんなスパーは売ってない。
仮に売っていたとしてもスパーに届かない。
これはもうギアケースを加工するしかないが
あまり大掛かりな事をする時間がないので
まずモーター側の開口部を拡大、大径ピニオンが入るようにし、
バックラッシュの微調整が出来るよう、
モーター取り付けネジが通るパイプを4ミリドリルで拡大。
これで大丈夫か?
Wasp用に買い置きがあったキンブローの100Tをセットしてみる
40Tピニオンはラクラク開口部を通過♪ さあ固定だ!
付かない・・・( ̄□ ̄;)!!
その程度の加工では100Tで37Tが上限であった。
目標値より1割近くもローギアードなのではお話にならない。
しかもキンブローのスパーは歯幅が広く、ギアケースに干渉するではないか!
異音を発しながら
全車に置き去りにされるグラホの
残念なイメージ映像が脳内を駆けぬけた。
手持ちをチェックしたが出てくるのは幅広キンブローの96Tのみ・・・
どひゃどひゃ
いや笑ってる場合か
やばい、やばいぞ・・・
おっ!?
あった!
何故か手付かずのカワダの98Tがあった!!
98Tなら38Tが付き、目標値との差は3%。これだ!・・・しかし
( ̄□ ̄;)!?
すぐさま何故そのスパーが手付かずだったのかが判明した・・・
以前間違えて買ったやつだったのだ。
センターの穴が大きいのでホルダーのハメ合わせが甘々。
当然ながら目に見えて偏心してしまうではないか。
・・・(;´д`)トホホ
あきらめてツインホビーに向かった。しかししかし。
そこにカワダのタグのついた64ピッチスパーの姿はなく
あったのは幅広のキンブローのみだった・・・
(;´д`)
・・・
ひょっとしてこれって
大ピンチ
だよね・・・
( ̄□ ̄;;
マズい。
非常にマズい状況である。今から頼んでも届くのはレース後だ。
ん?待てよ
隣にカワダの48ピッチスパーがあるじゃないか。
ありがたいことに72Tは64ピッチの100Tよりも小径だ。
すぐさま72Tを購入し組み込んでみる。
径も歯幅も問題なく収まった!
(^-^)
更にスパーのブレ止め対策としてTA04用のサポートを装着し万全を期す。
ピニオンは手持ちがないので分からないが、寸法から察するに
30T(5.65:1)、29T(5.46:1)は余裕で付きそう。
てなわけで、ほぼ予定のギア比を得ることが出来た。
ちなみに装着できる限界は唯一手元にあった31Tピニオンの5.11:1だが、
さすがにこれは使えないだろう。お店で買おうっと♪
さて実はもう一点問題が。
昨年末に掃除機をかけたツインのカーペット路面は
以前のテスト時とは路面状況が一変。非常にグリップが高くなっていたのだ。
風さん用のG32を使用してのテストではフロントが引っかかり失速気味。
インナーを替える手もあるが、ハズすと怖い。
注文したホイールが間に合わず手持ちの2本しかないからだ。
結局フロントには、Waspで満足のいく結果が得られた
マイルドな特性のヨコモKスリックを投入することにした。
スーパーサイズは出てないのでWasp用に切り詰めた余りを継ぎ足し、
フロント用特製Kスリックが完成。
矢印で挟まれているのが継ぎ足し部分
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こうして、僕としては珍しく金曜日に全ての準備が終わり、
土曜日はテストがてら練習。
即コースイン。基本的にアンダーだが乗りやすく、失速感も消えた。
タイヤについては一応「本決まり」である。
尚、足については手持ちのツーリング用スプリングに換えてみたりしたが、
ピンとこず結局元に戻してしまった。
問題のスピードだが、そんなこんなの努力の甲斐あってかなりのレベル!

・・・でも3周もすると熱ダレ傾向が。
立ちあがりも悪い、やっぱり31Tじゃムリだったか(おいおい)。
一旦走行を打ち切り、29Tピニオンをお店で買い求め再チャレンジ。
来た!これだ!加速・伸び共に申し分なし。
こうして、課題はなんとかクリアされた。
その成果が実戦でどう出たかについては別コンテンツの結果をご覧頂きたい。
当日のグラホはファンtoドライブかつ速く、トップを快走。
スポチュン使用のタミヤクラスのマシンに匹敵する記録のオマケもついて
今回は大いに報われたのであった。
ちょっと野望に近づいた気がする |