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 11月の万葉集  H21.11.1


     士也母 空應有

      萬代尓 語續可
  
     名者不立之而
        
                            (巻6.978  山上臣憶良)



     士(をのこ)や 空(むな)しくあるべき
 .
      万代(よろづ)に 語(かた)り継ぐべき

     名は立てずして





    (訳)
     男子たるものが、むなしく命終わってよいものであろうか。

     万代の後まで語り伝えるぺき名をも立てることなくして。

             「萬葉集注釋. 澤潟久孝、萬葉集全歌講義.阿蘇瑞枝」より
 


         

     憶良の晩年の作。臨終に近い病床の時の歌とされています。
     
     憶良は第七次遣唐使船に同行し唐の最新の学問を研鑽し帰国。しかし当時の

     門閥体制の中、伯耆守、筑前守など地方長官を歴任。能力を発揮しうる場に、

     恵まれなかった痛恨の思いが伝わります。



     撮影   富山市呉羽山より(上)。 呉羽山長慶寺 五百羅漢(下)