小又川から大日岳縦走
                  

 平成13年7月14(土)15日(日)
上市町馬場島の一つ手前に、川幅が広く砂防堰堤が階段状に連なって見える
大日岳山系を水源とする早月川の支流、お又川ガある。
春山シーズンには大熊山や大日岳を目指す人が多いルートである。
 
今回は会の3人と小又川のカスミ谷を遡行して「天狗の踊場」と呼ばれる台地をめざし

剱岳の横顔を見てこようと計画。
   参加者 4名

1日目 お又川ーカスミ谷ー天狗の踊場 泊(9時間)
2日目 天狗の踊場ー奥大日岳ー大日岳ー大日山谷下山ー小又川 (10時間)

7月14日(土)上市を6時半に出て砂防工事中の現場
を過ぎて、お又川取水口に駐車。
7:35左岸に沿って遡行する。
8:10最初の支流(サンハリ谷)を渡る
(50Mくらい遡行した地点に木の橋が用意してある。)
渡りきると右岸には山道が尾根沿いに付いているので
しばらくは尾根道を行く
。30分くらい森の道を行くと
再び川に出る。
9:40
渡渉と切れた残雪に気を使いながらカスミ谷出会いに着く。
ここで川の名前もカスミ谷と大日山谷に変わって二股に分
かれる。
大日山谷は広くて大きい谷だ。
大日小屋までが見通せるような直線的な明るさを持っている。
一方カスミ谷は出会い付近の地形が狭く屈曲して合流してい
るので暗い。

まだ多くの雪渓が残っている。
             
             そのクランク状になった狭い谷を行くとすごい水音が響いてくる。
             シュルンドを避けながら音のする方向に登ると、
             袋小路のようになっている所に着いた。
             正面の黒い岩壁が覆い被さるように上から圧倒してくる。
             その壁が直角に対岸と接した所に音源があった。
             「滝だ」
             滝をのぞき込みルートを探すI、Mの両氏

             写真正面の左側に、滝が下の写真のように見える。
10:10
カスミの大滝が出現して行く手を阻む。
少し戻り左岸のナメ滝を登り高巻く事にする。
しかしそこも草付きの岩場でホールドの少ない険悪な
斜面、落ちるとそのまま雪渓の下に吸い込まれる。
雨が余計に足場を悪くしている。

安全のためザイルを出し2ピッチで大白樺の木に着く。
そこから尾根上までひどい藪である。
ここの下降もつるつるで危険な沢だったので
同じくザイルを出して下ったが、まさに滝の真上だった。
下の方でやや上に逃げて雪渓に降りた。
(下降点をもう一つ小さな尾根を越えた所にすると良い
地点に下れる。)
13:10
しばらく登ったところで第2の滝に出会う、
(10M位の滝だが雪渓が無ければ倍近
くはあると予想できる)。
偵察して、今度は右岸をザイルを出して通過する。
1

写真は滝を登るMさん、確保するAさん

14:30
全員の通過を終えてここから先は広い谷だった。
16:00
再び長い雪渓を登る事1時間半
やっと目的地の登り口に着くが
またしても藪こぎだった。

写真は右岸に登り、今来た雪渓の先を写したもの。
奥大日岳に突き上げる沢だ。
今年は雪が多くほぼ直下まで残雪がある。
17:50
テントサイトに設営を始めると同時に雨になった。
雨をやり過ごした後に現れた剱岳の勇姿。

その後、夕食の準備もそこそこにカメラのそばから離れず
待っていたが雲に隠れて見せなかった。

その日は、途中で取ってきたウドを肴にいつものように酒盛り
し就寝?。

(実はテントをやや斜面に立てたので足元にずり下がってしまう。
ザックを置くのだが、それでも水平になれずなかなか寝付けなかった。)
15日

7:00
翌日は快晴
朝の惰眠に加え、ゆっくりと写真に時間を費やしたので、
9時の出発になってしまった。
奥大日に突き上げる雪渓
テントから。
最上部の稜線上には雪庇が見えている。

9:45
左に立山川を見ながら尾根上を行く。
暑さと藪こぎでくたくた。
ようやく藪が切れたところで一息。
対岸には剱岳や御前が広がっている。
剱岳の全容を見る
早月尾根の2600M地点に
「人が動くのが見えた」と目の良いリーダーが言った。
尾根を登り平坦になったところで休憩。
その後、朝見ていた雪渓の最上部を渡り奥大日の直下を目指す
12:25
ようやく稜線の下に着く。稜線上にはおおいかぶさるように
雪庇が立ちはだかり一瞬だじろぐ。
ちょっとした間があって、上を歩く若い女性の声で
それまでの緊張が一度に失せてしまった。
すぐに上り口が見つかり稜線上に立った。

後ろを見ると、すごい草付きの急斜面だ、良くもこんな
所を来たものだと驚き入る。
12:30
奥大日頂上にて
ガスで周りが見えない。

14:15
大日小屋に着く。
稜線上をやや早足で時間を稼ぐ。
こんなにも起伏があったけなー ?
久しぶりの大日岳に記憶が薄い。
a


杉田のお母さんにビールとポットの
お湯をご馳走になる。
貴重なお湯でラーメンを作り最後の食事をする。
途中で一緒になった写真家の高橋さんと乾杯。
しばし語らい再会を約して別れる。
15:00
杉田のお母さんと息子さんに見送られて
小屋の前から大日山谷の雪渓を下る。
ガスが先を覆い隠し安全の為にザイルをのばす。
途中狭くなった個所を通過するともう危険は無い。
1時間くらい下ったところでガスが一瞬はれて、下方が
見渡せると一気にくだった。
17:20
カスミ谷出会いに着く。

さらに下る事1時間半で、遠くに車が見え始めてやっと
長いながい全ての行動が終わった事を実感した。
     結局車に戻ったのが19時であった。
    やや薄暗くなった車のそばで、長い行程に疲れ果てて皆無言で靴を脱ぐ。
    本当にご苦労さん。