★アウトブリード
血統の5代前までに同一の祖先を持たないような配合のことをいい、異系交配ともいう。
★煽る(あおる)
ゲートの中で前脚を上げて立ち上がり、そのときにゲートが開いてスタートが出遅れた状態になること。
★脚色(あしいろ)
レースなどで余力がある状態を「脚色がいい」、反対に疲れてスピードが鈍ると「脚色が悪い」という。
★足抜き(あしぬき)
馬場状態を表す言葉で、良い、悪いと合わせて使う。芝の道悪やダートにおいて足を取られ思うように走れないとき「足抜きが悪い」と言い、同じように見た目悪い馬場でも走りやすい状態のとき「足抜きが良い」というように使う。
★当て馬(あてうま)
種付けをするとき、牝馬の発情の有無を調べるために、牝馬に接近させられる牡馬のことで、試情馬ともいわれる。
★後検量(あとけんりょう)
レース後騎手が決められた斤量で騎乗していたかどうかを調べること。前検量に比べ0.4キロ以上増減のあったときには裁決委員に報告され、その差が大きいときなど失格となることもある。
★穴場(あなば)
馬券(勝ち馬投票券)を売る窓口のこと。昔は握りこぶしがぎりぎり入るように板を円形に切り抜いた穴だったことからその名が付いた。
★あらあら
手応えが怪しくなり余力のなくなった状態のことで、バテかけたという意味合いに使われている。
★併せ馬(あわせうま)

調教の時に2頭以上で併走させること。勝負根性を高める効果がある。
★一杯(いっぱい)
レースや調教中に馬が競走能力の限界に達した時、「一杯になった」という。
★イレ込む(いれこむ)
馬がイライラして落ち着きのない状態。
★インブリード
血統表で5代前までに同一の祖先を持っているような配合のことをいい、近親交配ともいう。
★ウイナーズサークル
優勝馬表彰区画のこと。通常、スタンド前の走路に面した部分に設けられている。
★ウッドチップコース
走路の基盤の上に、粉砕された木片を敷きつめた馬場で、日本でも調教用馬場として多く用いられている。
★馬っ気(うまっけ)

牡馬が発情すること。競馬能力を十分に発揮できないことが多い。牝馬の場合は「フケ」という。
★馬なり(うまなり)
レースや調教で騎手が手綱をしごいたり、ムチを使ったりせず、馬の走る気に任せた状態。
★追い切り(おいきり)
レースのある週に行われる最終調教。
★折り合い(おりあい)
馬と騎手の呼吸があっている時「折り合いがつく」といい、反対にちぐはぐな時は「かかる」という。
★飼い食い(かいぐい)
馬の食欲のこと。飼い食いが良過ぎると馬が絞りきれず太目になるし、飼い食いが悪い時は体調に問題がある場合が多い。
★外国産馬(がいこくさんば)
マル外ともいい、外国で生まれた馬をいう。競争上いろいろ制限を受け、かつて、クラシックや天皇賞にレースに出走できなかったが、今は頭数限定で出走が可能になった。
★返し馬(かえしうま)
レース直前のウォーミングアップ。
★格上げ(かくあげ)
レースに勝つと次のレースから上のクラスで戦うことになるが、ひとつ上のクラスにあがることを格上げという。但し、賞金の関係で同条件で戦える場合もある。
★角馬場(かくばば)
調教コースの内側に作られた小さな馬場で、周囲や走路を柵で囲った1周200〜600mほどの砂のコース。
★仮柵(かりさく)
移動柵ともいう。内ラチから5メートルとか10メートルとかに柵を設けることによって、内側の芝の過度の消耗を防ぐ。
★カンパイ
発走委員が真正な発走でないと認めた場合に発走をやり直すこと。
★騎乗停止(きじょうていし)
騎手に対する処分の中でも厳しいもので、戒告、過怠金などより重い制裁。騎乗期間停止中は、中央競馬だけではなく、外国を含む地方競馬にも騎乗できない。
★脚質(きゃくしつ)
各馬の決め手につながる得意な戦法(走り方)を脚質という。
通常逃げ、先行、差し、追い込みの4つに分けられているがペースによって先行策もとれるし、抑えて行って追い込むこともできる馬を自在型と言っている。
★キャンター・ギャロップ
緩い駆歩のことを(canter)といい、襲歩または競争駆歩と呼ばれる速い駆歩をギャロップ(gallop)と呼んでいる。

★競走除外(きょうそうじょがい)
装鞍所から出る前に馬の異常が発見されレースから除外されること。
★兄弟馬(きょうだいば)

競馬の世界では同じ父でも兄弟とは言わず、同じ母馬から生まれた馬だけを兄弟馬という。父が同じ場合を全兄弟、父が違う場合を半兄弟という。
★禁止薬物(きんしやくぶつ)
馬の競走能力を一時的に高め、または減ずる薬品(薬剤)が競馬施行規定第79条に規定されており、これを投与されその影響があるとみなされる馬は、出馬投票が出来ない。
★近親交配(きんしんこうはい)
サラブレッドの場合、通常5代前までに同じ名前の馬が2度以上表われているものをいう。異系交配に比べ優秀馬の出る確率が高いとされている。
★斤量(きんりょう)

負担重量のことで、初期の競馬では重さに斤(0.6キロ)の単位を使っていたことから、今でも言っている。
★癖馬(くせうま)
癖を持っている馬という意味ではなく、レースや調教でまともに走らない馬のことをいう。
★クラシックレース
桜花賞、皐月賞、優駿牝馬(オークス)、東京優駿(日本ダービー)、菊花賞の総称。
★繋靱帯炎(けいじんたいえん)
屈腱炎などと同じで競走馬にとって負担のかかる前肢に起こりやすい疾病。俗に「ナカスジ」と言われるもので、なかなか治りづらい。
★鶏跛(けいは)
「とりあし」といわれるもので、鶏の歩く様によく似た歩様。後肢が地面を離れるとき、けいれん状に急激に飛節をあげる状態。
★毛色(けいろ)
サラブレッドの毛色は以前は栗毛、栃栗毛、鹿毛、黒鹿毛、青鹿毛、青毛、芦毛の7種と決められていたが、昭和54年ハクタイユウの白毛が認められ、現在は8種となっている。
★気配(けはい)
”気合”と混同しやすいが、気合は馬が競走に向かっての気分の充実度といったもので、元気なときは「気合が乗る」「気合がいい」といわれる。その気合を含む、動きや馬の出来具合(造り)、落ち着きのあるなしなどすべてを観察した状態を気配といっている。

★顕彰馬(けんしょうば)
昭和60年に日本中央競馬会創立30周年記念事業の一環として、中央競馬の発展に多大な貢献のあった過去の名馬の功績をたたえ、顕彰して、後世に伝えていくようになった。

★減量騎手(げんりょうきしゅ)

見習騎手ともいい、騎手免許の通算取得期間が3年未満で勝利数が100勝以下の騎手のことをいう。斤量の決まったレース以外のレースにおいて、20勝以下なら3キロ減、30勝以下なら2キロ減、31勝以上なら1キロ減の負担重量で出走できる。
★ささる
馬が急に内側に斜行すること。外側への斜行は「よれる」という。
★シンジケート
競馬の世界では主に種牡馬について組織される株主の集まりのことで、1頭の種牡馬を数十株に分けて分配し、その保有株数に応じて種付けの権利を得る。

★ズブい
馬が騎手の指示にすぐに反応しないこと。
★セン馬(せんば)
去勢された馬。気性が荒く反抗的な馬を去勢することによって従順にし、能力を発揮させる。
★外枠発走(そとわくはっそう)
ゲート入りした後、突進して飛び出したり、ゲート内で暴れて危険な場合外側のゲートに入れて発走させること。
★ソラ
馬の気が散って、馬がレースに集中しないこと。
★対抗馬(たいこうば)
レースにおいて一番力があり中心と見られる本命馬(◎)に対抗できる馬のことで、予想紙では○印を付ける。
★帯同馬(たいどうば)
遠征馬と一緒についていく馬のこと。
★タイムオーバー
サラブレッド系平地競争に出走した馬が勝ちタイムより、芝馬場の距離1400m未満で3秒、1400m以上2000m未満で4秒、2000m以上で5秒。ダートの距離1400m未満で4秒、1400m以上2000m未満で5秒、2000m以上で6秒を超えて決勝点に到達した時、当該競争の施行日の翌日から起算して1ヶ月間平地競争に出走できない。
★単穴(たんあな)
予想評価のひとつで▲印で表されるもの。単勝の穴馬という意味だが、対抗馬に次ぐ3番手の馬という感覚でつけられることが多い。
★単騎(たんき)
他馬に並ばれたり、競り込まれたりせずに1頭でレースが運べること。逃げ馬によく使われる言葉だが、”単騎追走”などと使われることもある。
★父内国産馬(ちちないこくさんば)
サラブレッド系の馬の父が日本で生まれた馬である馬。
★着外(ちゃくがい)
本賞金の与えられる5着までを着といい、6着以下を着外という。
★鉄砲(てっぽう)
長期休養の馬がレースに出走すること。これで好走することを「鉄砲駆けする」という。
★手前(てまえ)
馬が走る時に常に前に出す方の脚。
★テン
最初という意味。例えば、初騎乗のことを「テン乗り」という。
★二走ボケ(にそうぼけ)
長期休養明けの馬が鉄砲駆けした次のレースで凡走すること。
★二人曳き(ににんびき)
気性の荒い馬がパドックで暴れないように、馬の手綱を2人でとって回ること。
★能力検定(のうりょくけんてい)
中央競馬では行われていないが、地方競馬ではデビュー前や一定の期間競争を離れていた馬、他地区からの転入馬などに対し行われる試験のこと。決められたタイム内で走破できない馬はレースに出られない。
★馬鹿つく(ばかつく)
「馬鹿っ気を出す」ともいわれるが、鞍上意のままにならずレース中に大きく外にふくれたり、走路外に逸走したり、急激に止まったりすること。
★拍車(はくしゃ)
馬具のひとつで、長靴のかかとに取り付けて馬の腹に刺激を与えるもの。モンキー乗りが主流の今の競馬では拍車を着けて乗ることは少なくなっている。
★肌馬(はだうま)
繁殖用牝馬のこと。
★発走除外(はっそうじょがい)
馬場に出てきてから事故を起こしたり、ゲートにどうしても入らなかったり、また発走前に暴れて馬体(脚部)に外傷などを負い能力を十分に発揮できないと発走委員がみとめた時にレースから除外されること。
★発情(はつじょう)
繁殖牝馬が種付けできるときの状態で、発情はだいたい3週間目ごとに周期的にやってくる。

★バテる
力走の末レースの終わりで力尽きていっぺんにスピードが衰える状態。
★パトロールフィルム
レースの模様を各コーナーにある監視塔(パトロールタワー)からフィルムで撮影したもの。
★鼻ねじ(はなねじ)
鼻捻棒のこと。ゲート入りの悪い馬などには鼻捻棒を使い、鼻の先をねじ上げる。

★ハナを切る(はなをきる)
スタートで先頭に立って逃げること。
★ハロン
長さの単位。1ハロン200m。
★馬齢重量
馬の年齢に応じて背負わされる斤量のことで、競馬施行規定の56条に定められている。
平地競走では、
2歳9月まで 牡馬54キロ、牝馬54キロ
2歳10〜12月 牡馬55キロ、牝馬54キロ
3歳9月まで 牡馬56キロ、牝馬54キロ
3歳10〜12月 牡馬57キロ、牝馬55キロ
障害競走では、
3歳 牡馬58キロ、牝馬56キロ
4歳5月まで 牡馬59キロ、牝馬57キロ
4歳6月以降 牡馬60キロ、牝馬58キロ
★バンケット
坂のことだが単に傾斜のあるところという意味でなく、障害コースにおける上がり下がりの急勾配の坂のこと。
★ふけ
牝馬が発情すること。
★ぶち毛
馬の毛色の種類で、体に大きな白斑のあるものをいう。
原毛色により、栗ぶち毛、鹿ぶち毛などと呼ぶ。
★冬毛(ふゆげ)
体毛の中で被毛といわれる全身に密生している短くて細い毛は、秋から冬にかけて長くなり光沢を失い春になって脱落する。これが冬毛で、この毛の脱換の遅速は健康状態と密接な関係があり、健康な馬は脱け換わりが早い。
★フリー騎手(きしゅ)
通常、騎手は特定の調教師と騎乗契約を結んでいるが、この契約を結んでいない騎手のことをいう。
★ブルードメアサイアー
母馬の父のこと。ブルードメアは繁殖牝馬、サイヤーは種牡馬のこと。

★落鉄(らくてつ)
蹄鉄(ていてつ)が外れて落ちること。
★連闘(れんとう)
2週連続で出走すること。
★輪乗り(わのり)
発走直前にゲート付近で馬を円状に歩かせて待機すること。
 
 

★くもずれ
後肢の球節の後ろ下部にできるすり傷のこと。
★コズミ
筋肉痛や筋肉炎のこと。特にひどい時は「スクミ」という。
★笹針(ささばり)
うっ血した馬の肩や腰、または全身に針を打って血をとる治療法。
★挫跖(ざせき)
ひづめにできる炎症。
★ソエ
骨が固まっていない成長途上の若い馬が起こす骨膜炎。
★裂蹄(れつてい)
ひづめが乾燥して硬くなり、縦に裂けること。

 
 

★鐙(あぶみ)
騎手が足を乗せる馬具。鞍の付属具で鞍からあぶみ革によって吊るされているもので、騎手が自分の体を安定させたり、手綱や鞍を自由に使うために足先に力を掛けるために必要とする。

★口籠(くちかご)
馬の口につける籠のことで、寝藁(ワラ)を食べたりする採食の異常な馬に使う。

★遮眼革(しゃがんかく)
ブリンカーともいい、目の後方につけて視野を狭くし、前方だけに集中させる。レースで他馬を気にする馬に効果がある。
★シャドーロール
馬の鼻の上に装着するもので、羊の毛で作られている。馬が自分の脚元(自分の影や芝の切れめ等)を気にする場合に効果がある。
★腹帯(はらおび)
鞍の付属具で馬の胸に回して締める帯。これが緩むと鞍ずれの原因になるが、強く締めすぎると能力に影響して走れなくなることもある。
★引き返し(ひきかえし)
矯正馬具のひとつで、マルタンガールともいう。腹帯からハミを通じ、手綱につながっている装具で、また綱ともいわれる。頭をあげる悪癖のある馬にその癖を出させないために使用する。

★バンデージ
四肢を保護するために巻かれる布。

★メンコ
「マスク」ともいい、馬の耳を覆って周囲の音を遮り、気が散らないようにする。
 

競馬をするなら、基本的な用語は覚えておきましょう。