月〜化粧中〜

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血化粧
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【サムトル好きやねん!】の橘 ゆき様が配布されていたものを拝領しました。
「雪月花」三部作の弐・「月」です。


月を頼りに化粧(けわい)する
笑みのともらぬ白い頬
血潮搾って紅を差す
涙忘れた眦(まなじり)へ
瞳を満たす赤い闇
瞼閉じれば昏(くら)い夢
光与えぬ月ならば
いっそ砕けて散るがよい


血化粧をするカユラ。
荒涼たる夜の原野、彼女を見ているのは月だけ。
おそらく出陣前なのでしょう。足元にたまった血は屠った敵のものでなく、彼女自身が流した血のような気がします。
陰惨と背徳に酔いしれているようでありながら、圧倒的な孤独を感じます。
己の力を「純粋」と言ってのけた彼女の、胸の奥に潜む思いは何だったのでしょう。
あの鮮烈な強さが洗脳のせいだけでなく、彼女本来の心の強さに由来するものであることを祈るのみです。

文責/泉 鏡一



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