蝶が岳と常念岳縦走
  平成14年8月17日(土)〜19日(月)
  長野県堀金村三股より2泊3日のテント泊 単独にて
    
    8:00上市発ー9:30白馬ー10:45三股
  
  17日、朝、甲府へ戻ると言う息子(学生)をだしにして山行を計画。
 大糸線沿線で縦走路を探すと三股からの今回の縦走路があった。
 以前から東京への出張の際に気になる山が常念だったのだ。
 平湯の阿房トンネルが開通するまでは豊科ICまで年間4.5回は通過した所だ。
  
  さて、テント場までの時間を逆算すると11時前には三股に着きたかった。
 松本市まで送るとの約束だったのだが、文句を言う息子を無理矢理に白馬駅に下ろし、
 一人山麓を行く。さんざん迷ったあげくどうにか着いた。
 新しい道路が開通したばかりで標識が無かったのだ。 
 堀金村
  (槍、穂高の景勝地とガイドブックにある。)

17日(日)
  ホリデーユーと書かれた宿泊施設の大きな建物を見ながら
 さらに奥に進むとレクレーション施設が川に沿ってあった。
 さらに細いアスファルト道路をタクシーに追いかけられて
 着いた所が登山口の駐車場だった。
 すでに30 40台の駐車場は満車。
 運良く空いた所に飛び込んだ。
 ちょうど入下山の出入りの時間であったのか。
 タクシーが列を作って並んでいた。
11時
  三股発 
  駐車場を出ると無舗装の車道をしばらく川に沿って
  歩かされる。程なく登山口に着く。
  そこで入山届けを出し、情報を聞く。
  多くの団体さんが続々と続く。
11:10
  川にかかる小さな橋を渡ると、蝶ヶ岳と常念岳への分岐
  の標識があった。
 
11:25
   少し行くと団体が止まっているので、脇から追い越そうと
  少し登りかけると、中の女性の方から 「おいしい水ですよ!」と
  声がかかった。少し戻り私も列に加わった。
  大変おいしくて冷たかった。
11:50
  さて、ここからが長い登りだった。
  何度も同じ所を登っているような、どこまで行っても
  同じ樹林帯だった。
  平坦と登りが繰り返しあるのだが、
  何しろ長かった。
  森の中なので日差しを避けられるのは歓迎だった。
14:50
  ガスの中をどうにか蝶ヶ岳に着いた。
  残念なのはそこにあるはずの景色が、全く白いガスの
  中だった。取りあえずテント場の水はけの良さそうな所
  にテントを組み荷を解く。
  夜半には雨も止み、安曇野平野の夜景と星空が
  すばらしかった。
 
翌日のテントサイト  (常念が見通せる)
     
  18日
    夜明け前の穂高
ご来光は雲がかかり拝めなかった
4:22
  真っ暗な夜明け前に、穂高を見ると北穂、奥穂、涸沢の各
  小屋の光が、その位置を明確にポイントしていて印象的
  だった。
  特に北穂小屋の光だけが特に明るく、窓がこちらに向い
  ているのかもしれないと思った。


                       
                                         

5:05
  いよいよ待ちに待った夜明け。 
  ドラマチックに光の幕が明けてくる。
 
  近くで見ていた熟年の登山者の方が
  穂高に手を合わせて、感謝感謝と言って上高地に
  下っていった。

今日の縦走路を見る。
長塀ノ頭付近から蝶ヶ岳ヒュッテと常念岳
5:43
 山頂に登り、穂高の朝日を目に焼き付け、テント場に戻る。
 そそくさと出発の準備をしている横には、きれいな花が
 咲き乱れていた。
                
6:40出発
  蝶が岳ヒュッテで水を買いペットボトルに詰める。
  これから先には水場がない。
  いよいよ穂高と槍を左に見ながらの縦走開始である。
6:55
  軽快に尾根を行くとすぐに横尾へ下る分岐にであう。
  蝶が岳の三角点がある(現在の最高点ではない)
  そこから上高地と梓川が良く眺められた。
8:10
  2つ目のピークを下っている途中に、きれいな林の上に
  常念の尾根が見えた。最下点まで下るとしばらく樹林帯
  の日陰の道が続く。昨日の雨の為か涼しい所だった。
  鞍部には小さな池があり休憩点とした。
  所々にお花畑があり、白山フウロが目に付く
  ナナカマドの実も赤く色づいていた。
9:20
  いよいよ急登にかかる。岩の山なので案外リズムは取れる。
  所々に大きな奇岩が出現して、見た目の変化が楽しい。
  ちょうど太陽がガスに覆われて頭上に無いのが幸いした。
  これがまともに好天ならば日干しになる。
  休憩の度、移りゆく穂高の姿を眺める事が慰めとなった。
  
  
10:50
  常念岳頂上
  小さな祠が祭ってあった。
  岩山である。 この頃になるとさすがに穂高の姿も変わり
  ガスも上がってきて、見え隠れするようになった。
  バックには槍が岳が見える
  
  山頂からの穂高
  団体さんの到着で賑やかだった。
  私も、すぐそこに今夜のキャンプ場があるので昼食にし
  軽く一杯やっていたら、一緒に登ってきた人からおいしい
  ワインをサービスしてもらった。お礼に焼き豚を差し上げ
  しばし歓談。結局テント場も横になった。
 
  明日下る予定の前常念
  横通岳から大天井岳へのルート 燕に続く稜線
  最も手前の鞍部に常念小屋がある
11:45
  山頂発
  下る途中にある前常念への分岐点
  
  先ほどの二人組の一人にすぐに追いついた
  相当 足にきているようだ。
  朝の常念への登りから見ていても相当疲れ
  果てているようだった。
  
  東京から上高地、徳沢、蝶、常念とテント担いで
  縦走の途中だった。





         
12:30
  常念小屋着
  テントサイトに荷を解きテントを組んで荷物を入れる。
  ガスが覆い始め気温も下がってきた。
  台風の影響か心配された。
  幸いなことに小屋の前に大きなアンテナが立っており
  携帯の感度は、ばっちり3本立っていたので、天気予報を聞く。
  
  時間があるので小屋の前で先ほどの人達と生ビールで乾杯!

  近くを散策しているとコマクサが砂礫の中にひっそりと咲いて
  いた。 鹿島槍以来の出会いだった。
  懐かしい思いがよみがえる。淡いピンクは心安らぐ色だった。
   夜中は雨になった。 
 
      
                テントサイト
19日
6:17出発
  となりの2人は、1人がすごくバテており一緒に三股には
  下れないと話し、先に一の沢へ下っていった。
  私も台風の雨が心配されたので早めに下山をする事にした。
  雨がとぎれたのを待ちテントをたたむ。
   常念岳へは登らず巻き道から前常念に向かう。
7:24
  ガスの中を前常念に着くが、人の気配がなかった。
7:42
  少し下ると避難小屋の赤い屋根が見えた。
  大きなゴロゴロの岩山なのでザックのお尻が岩に当たり
  バランスを崩しそうになる。
  少し晴れ間が出来そうなので20分位カメラを据えて待ってい 
  たがダメだった。
  オコジョがちょこんと顔を出しさっと隠れた。
  ちょうど小雨でガスも薄れたので雨具の上着を脱ぐ
  先は、やはりゴロゴロの大岩の下りが続いている。
  ペンキ印が薄いが迷うこともない。注意して下る
  ほんのしばらくの間だけだった。
  途中で右の沢の方に直接下った足跡が多くあり、近道を
  したくなる誘惑に惑わされたが、急がば回れ。
  
  
9:00
   樹林帯に入る。後は長い長い樹林帯の下りであった。
10:34
  登山口の分岐に合流し、橋を渡って無人となった小屋
  のポストに下山届けを入れて、縦走は終わった。
10:45
  駐車場
  5.6台の車がぽつんとあった。
  さすがに月曜日、タクシーも居なかった。
11:00発
 少し下った先には近代的なリゾート施設があり
 入浴し汗を流した。
 着替えて、さっぱりしたところで、やはり生ビールでリラックス。
 一人でルート図を見ながら食事をした。
 絨毯の休憩室で仮眠をし、平湯、神岡とまわって帰宅。

   
  蝶が岳ならば日帰りも可能だ、今回も多くの親子の日帰り登山者と出会った。
  又、一泊でも今のコースは充分可能である。
  槍が岳、穂高連邦の景観は抜群だ。尾根を行くと見え方も違ってくる。
  奥丸山や笠が岳の対角にある絶好の地であった。
  温泉があるのも良い条件だ。
  次回は雪を被った姿を撮りたい物だ。