荘厳(飾り方)
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デスクトップの設定を、横幅1100ピクセル以上で見てもらうと、文字と絵のバランス的に見やすいと思います。

花瓶、打敷などについて書いてきましたが、文章で見ても口答で申し上げても伝わりにくいのか、お参りに伺いますと、並べ方が逆だったり、余分なものが飾られていたりするので、イラスト(つたない絵ですいません)で説明することにしましょう。

お仏壇のサイズによって、これとまったく同じに並ばないこともあるはずです。これは、本願寺派のお仏壇の飾り方の一例です。参考になさってください。

↓飾り方の一例↓

お仏壇の飾り方画像
↑飾り方の一例↑

五具足画像
↑五具足↑
ごぐそく
お仏壇の金香炉は小さいので土香炉など大きめのものを実際の焼香に使ったほうが…


*お仏壇に飾らない(入れない)もの*


遺影形見……葬儀社さんから小さいサイズの遺影を受け取ると、お仏壇に入れてしまう方がいらっしゃいます。お仏壇に飾ってしまうと阿弥陀様や仏となった亡き方々ではなく、写真に向かって手を合わせたくなってしまうというのは人情かもしれません。ですが、写真は写真です。アルバムに貼ったり、居間などいつも居るような部屋に飾ったりして、故人を偲んでいただきたいです。
また、形見も同じです。大切な思い出の品ですが、気がつくと阿弥陀様がそっちのけで物入れになってしまわないように、気をつけていただきたいものです。


位牌……位牌は本来、儒教で祖先の生前の官位を記したものです。「○○家之霊」や、「××家先祖」などと書いたものや、法名を記したものを入れていらっしゃる方がおられるかもしれませんが、「霊」という言葉も、位牌も、浄土真宗にはそぐわない物です。過去帳に記載(お仏壇の中央には置かない)するか、小さい掛け軸に皆さんの法名を記録して側面に掛けるなどしてください。


湯茶器……湯茶器やコップなどに水を入れて供える必要はなく、浄土真宗にそのような作法はありません。亡き人は乾き飢えているわけではなく仏様になられたのです。
水を供える場合は香水(こうずい:香木で香をつけた水)を供えるのが本来です。浄土真宗では、鑑真和尚が大陸から仏教を伝えてくださった時に、香木の代用品としてシキミという木を使われたので、シキミか青木(ようするに花は使わないわけです)を、水を入れた華瓶(けびょう:1つい)にさして、蝋燭立・火舎と、四具足(しぐそく)として荘厳します。相当大きなお仏壇でないと、お道具が無いと思いますので、あえて香水を供えなくてもけっこうです…ということで、水は供えません。


仏具以外の雑貨……予備の線香、蝋燭、マッチやライター、ゴミ入れ、数珠を引っ掛けておくもの等は、仏具というより雑貨です。お飾りと同じように中に入れるのではなく、お仏壇の引き出にしまうか、横に置いておいてください。


お札・お守り……浄土真宗にそぐいません。お仏壇はお浄土を表しています。ということは、お仏壇の主人は阿弥陀様であるということを忘れないで下さい。

御本尊ごほんぞん

勿論、阿弥陀如来さまですが、イラストは絵像さまにしてあります。名号の場合もあり、その場合は南無阿弥陀仏と書かれています。これを六字名号といいます。
木像の場合もありますが、絵像さまが一般的ではないでしょうか。

※御本尊と脇掛は、本願寺からいただくことになっていますので、サイズを伝え、お寺に取り次いでいただくか、別院、本山参拝部などに聞いてみましょう
冥加金もお寺や本山に聞けば教えていただけます。

脇掛わきがけ(向かって右)

絵像さまの場合は、宗祖親鸞聖人。
名号の場合は、帰命盡十方無碍光如来と書かれています。阿弥陀様の別名です。

※「あらゆる世界に届き妨げられることの無い光明をもつ仏様」の意
※掛ける際、どちらが親鸞聖人なのか蓮如上人なのかわからない場合は、人物が内側の御本尊を向くように掛けてください

脇掛(向かって左)

絵像さまの場合は、8代目のご門主である蓮如上人。
名号の場合は南無不可思議光如来と書かれています。阿弥陀様の別名です。

※「私たちにははかり知ることのできない光明をもつ仏様」の意
※掛ける際、どちらが親鸞聖人なのか蓮如上人なのかわからない場合は、人物が内側の御本尊を向くように掛けてください

仏飯器ぶっぱんき

仏飯を盛り付けてお供えします。本願寺派では蓮の蕾型に丸く盛り付けます。お参りが終わったらお仏飯をおろして、お下がりをいただきましょう。一日中お供えしておく必要はありません。

輪燈りんとう

お仏壇では実際に火を灯すことは無いと思いますが(狭いですし危ないですから)本当は油を入れ、灯芯を使って火を灯します。
寺院でも今は、電球の場合が多いですね。

金香炉かなごうろ

本来は8の三具足のひとつですが、お仏壇のものは小さいものでしょうし、口も狭いですから、8-Bのような香炉を実際に使うことが、皆さんも多いのではないでしょうか。
寺の本堂の内陣でも、金香炉の前に土香炉どごうろを置きます。

供筍くげ

お供物を乗せる仏具です。
お供物は、1にお華束(おけそく:餅)、2に菓子、3に果物となっています。小さくても、お華束とお饅頭くらいは乗るのではないでしょうか。

※高杯を用いることもありますが、あくまで供筍の代用品です。正式な仏具ではありません。

三具足みつぐそく

普段は、この3つでけっこうですが、年忌法要、報恩講、お正月、また結婚式など大切な時は、打敷をつけ、五具足でお飾りしましょう。

A 花瓶かひん 毒花・棘のある花はやめましょう。
B 香炉こうろ 香盒(こうごう:お香を入れておくもの)は、その脇に置いておきます。絵が青いのは…土香炉のつもり。
C 蝋燭立ろうそくたて

経卓きょうじょく

たまに、線香、蝋燭、マッチなどを捨てるゴミ入れなどを所狭しと置いておく方もいらっしゃいますが、文字通りお経の本を置く卓です。
雑貨はお仏壇の下の等に片付けて、経卓の上に置かないようにしましょう。

10 御文章箱ごぶんしょうばこ

蓮如上人が書かれたお手紙である御文章を入れておきます。箱には普通、小さくても足がついていますので、そのまま下に置いてかまいません。
箱が無い場合は、御文章をそのまま地べたに置かないように気をつけてください。

似たもので、もう少し高さがある、和讃箱というのもあり、これは親鸞聖人が書かれた正信偈と和讃を納めておくものです。これは、経卓に置いてください。

11 りん

リンと呼ぶことが多いかと思いますが、キンといい、お寺にある大きなものを大キンといいます。見慣れた小さな物は小キン。

読経の際にだけ使う鐘です。経卓の向かって右側に置きます。経卓に乗せません。
読経以外の時…ちょっと手を合わせる時や、焼香する際など…には打ちませんので、気をつけてください。

2003年2月