タイトル 真宗数え歌

 

ひとつには、必定地獄と聞きながら
うぬぼれ心に 生かされて
落ちるこの身ということを
ほんに今まで知らなんだ

ふたつには、不定のいのちを持ちながら
よもやよもやで 日を暮らし
こよいも知らぬ 我が身とは

みっつには、皆さん後生は大事だと
人にいっては 聞かせれど
実は我が身の 大事さよ

よっつには、よくよくお慈悲を聞いてみりゃ
助ける弥陀は 手を合わせ
まかせてくれとのおおせなり

いつつには、いつもお礼は口ばかり
浮き世話に 日が暮れる
かかるおうちゃくものと知る

むっつには、無始よりこのかた今日までも
助けまします 弥陀仏は
真実大悲の 親様です

ななつには、泣いて暮らすも今日限り
ういもつらいも いましばし
やがて浄土の楽しみは

やっつには、役にたたぬや雑行や
雑修自力も 捨てもせず
親様泣かせていたことよ

ここのつには、この世にいながら 正定聚
摂取不捨の 網の中
逃げても逃がさぬお慈悲とは

とおには 称ゆるままの名号が
つれてゆくぞや まっておる
まちがわさぬの お慈悲とは

富山市在住の真宗門徒の方が、戦前に日曜学校で教わった「数え歌」だそうです。

ともしび323号より