1999年9月29日〜10月5日
ハワイ諸島には 2別院・34ヶ寺があり30人あまりの海教使(海外布教資格をもつ僧侶)が活躍し、約1万世帯の門信徒が暮らしています。
ハワイ開教の歴史は明治22年に大分の曜日蒼龍という僧侶がホノルルに上陸してから始まります。
日本から多くの移住者がいる状況から、明治30年には正式に海教使第1号を、翌年には開教総督を派遣し、初代ハワイ別院が新築落成されました。その後、日本人学校や、仏教婦人会が相次いで設立され、お念仏の輪は他の島にも広がっていったのです。
仏教青年会の組織化や社会奉仕活動の参加、英語伝道師の養成など、現在のハワイ教団の基礎が築かれていったのもこのころです。昭和16年に日米開戦となると海教使達は留置場に送られ活動は停止してしまいましたが、戦後には復帰し、平成元年には100周年の法要が勤まりました。
現在も熱心な取り組みがなされています。
待ちに待った9月29日の昼、富山駅に集合した私(住職)をふくむ30人、皆、嬉しそうに…また不安そうに添乗員の指示を受け、出発いたしました。
日本時間の夜中3時にホノルル空港に到着すると、現地では「おはようございます、29日、朝の8時ですよ」(時差は−19時間)ということになります。
入国手続きを済ませ、『影現寺ご一行様』と表示されたバスに乗り、早速、別院に向かいます。
途中、車窓からの日本とは違う景色に見とれているうちに、30分ほどで到着です。
別院では川路輪番さんが出迎えてくださり、当寺門徒の代表がお土産と懇志をお渡ししてから、キリスト教の教会にあるような椅子に腰掛けます。
私が調声して『重誓偈』をお勤めした後、初期の移住者のご苦労や、慈光のうちに生かされていることに気づかなければならない……と、輪番さんからご法話を頂きました。今でもマウイ島から「無縁墓を始末してもらいたい」と連絡があるそうです。
初代の移住者が、夢破れて亡くなり、ただ埋めて、そこらにある石を墓標とした墓が沢山あったとか……
しかも、埋めてくれた人に靴や衣類等をお礼にあげると約束しなければならないような貧困のどん底だった方が多かったそうなのです。
過去に多くの人々がご苦労なさったことが、しのばれるお話です。2回目の参拝は、最終日の4日、日曜日でした。
クリスチャンが8割を占めるハワイですので、仏教徒もその習慣にならって日曜日にお寺にお参りするのです。10時の礼拝にお参りしたのですが、音楽法要のような感じで、『讃仏偈』以外、司会・ご法話・連絡事項等もモチロン英語。顔は日本人でも、簡単な言葉以外日本語を解せない方が多いからです。
もちろん経本も横書きで、漢字の下にアルファベットで発音が(ふり仮名というのだろうか)書いてあります。
私はまったくと言っていよいほど英語が解りませんが、わかったような顔で座っておりましたところ、「TOYAMA」と聞こえ、ハッとしました。「富山からお参りに来ていらっしゃいます。富山の皆様、お立ちください」とご紹介下さったのだと解りましたので、皆で立ちあがりました。思いがけず参拝者の皆様に拍手をいただき、慌ててご挨拶を……
日系3世と思われるご婦人が「祖母の出身が福光なので、とても懐かしい」と涙を流しておいででした。2回の有意義な別院参拝、本当にハワイに来て良かったと感じました。
後は楽しく観光。
ハワイ島・マウイ島・カウアイ島等、希望したオプショナルツアーに参加。
驚いたのは、70代のご婦人が、沢山海水浴をなさったこと。
また、ヨットに乗った方、バスを降り損ねてタクシーで帰ってきた方、ダイアモンドヘッドにいらっしゃった方……皆さん思い思いに楽しく自由にハワイを満喫なさったようでした。そして最後に「後2日あったらねえ〜〜」と……皆さん、お元気でなによりです。
最高に素晴らしい旅行でした。70歳以上の方…海外が初めての方が多かったので団長の私とすれば「迷子になったら…怪我や病気になったらどうしよう……」等といろいろな心配をしましたが、私が勝手に心配しただけで、まったく杞憂でした。
参加された皆さんに大変喜んでいただき、普通のハワイ旅行ではなかなか知ることのできない海外での真宗や移住者のご苦労、歓迎してくださった皆様の温かさに触れることのできた、すばらしい旅でした。10月5日、夜8時、富山駅で全員元気に「ご苦労様でした」とにこやかに解散することができました。
住 職
これをご覧の方も、海外にいらっしゃる際は別院もたずねてみてはいかがでしょうか。もちろん、仏前結婚式なども……
HONPA HONGWANJI HAWAII BETSUIN
(BUDDHISUT TEMPLE)
1727 Pali Highway,Honolulu,Hawaii 96813ハワイ以外の本願寺教団所在国
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