オルフェウスは恋人を黄泉の国から連れ出そうとした

決して振り返ってはいけない

振り返ると恋人を現世に連れ出すことはかなわない

だが自分の後ろをついてくる物音も気配すらもなかった

オルフェウスは不安でついに振り返ってしまった

そして恋人は再び黄泉の国へ

信頼関係が崩れたということだ

恋人はオルフェウスに振り返らないでくれと祈ったはずだ

恋人もまた不安だった

不安という一滴の濁り水が鋼鉄の愛にやがて穴を開ける

愛とは互いの揺るぎ無い信頼

信じることですらないのかもしれん

愛ってのはただ・・・疑わないことだ